CASE ご相談事例

Nさん (女性・20代後半・東京在住・インスタグラマー(インフルエンサー))

ご相談に至った経緯

相談者(Nさん)は日々SNSのひとつであるInstagram(インスタグラム)において、化粧品や美容アイテムの紹介のほか、日本各地の観光地をめぐる様子などを写真、動画で公開しているいわゆるインスタグラマー、インフルエンサーとして活動する女性でした。

Instagramを中心として活動していましたが、広告用にTwitter(ツイッター)やYoutubeでもアカウントを保有しており、合計のフォロワー数、チャンネル登録者数は20万人に迫る勢いの、流行りのインスタグラマーです。

ある日、Nさんはいつものようにいわゆる企業案件として化粧品のレビューについての依頼を受けるため、ある企業とビデオ会議システム「zoom」を利用して化粧品の説明、案件の進め方について打ち合わせを行っていました。

打ち合わせ中、パソコンでzoomを利用していたNさんの画面右下にLINEの通知が届き、Nさんが目でそのプレビューを追っていると、「このアカウント、Nっぽい人のことたくさん書いてるけど…」という文字が目に入りました。
Nさんは(また変なアンチのアカウントかな…?)と特に気にしていませんでしたが、打ち合わせを終えてLINEを確認すると、友人からとあるInstagramのアカウントのURLが送付されていました。
Nさんは気が乗らないながらも、普段あまり連絡をしてくるわけではない友人からの連絡であったため、一応見てみようと思い、そのURLにアクセスすることに。

すると、そのアカウントにはNさんの写真と共に、「#淫乱女」「#ヤリ捨てられBBA」「#交際経験100人」などの下劣なハッシュタグと共に、5つの投稿でNさんの過去の具体的な交際歴に関する情報が掲載されていました。

Nさんはハッシュタグによるいわれのない誹謗中傷に憤ったのもつかの間、なぜ自分の過去の男性遍歴等について記載がされているのか不安になり、その友人になぜそのアカウントを知っているのか確認したところ、Nさんのアカウントのフォロー欄にいる人に対し無差別にフォローをしていっているようで、その時点では20人ほどしか当該誹謗中傷アカウントのフォローはいませんでしたが、Nさんの知人と思われる人々ばかりをフォローしていました。

記載されていた男性遍歴については、実際に交際関係にあったこともある男性の情報のほか、その時点でもインスタグラマーとして仲良くしている友人男性の情報等も記載されており、事実とそうでないこととがごちゃ混ぜになっていたものの、見た人からすれば事実であると誤解しても仕方のないと受け止められるほど具体的な記載がされていました。

Nさんは早急にそのアカウントをなんとかしなければならないと思い、インターネットで検索のうえ、削除や投稿者の特定ができないかと考え当事務所に訪れました。

解決までの流れ

担当の弁護士がNさんと一緒に該当のアカウントを確認したところ、どの投稿にも間違いなくNさんとわかる写真が使われており、Nさんの本名こそ出ていないものの、Instagramのアカウント名が用いられていたことから、誰が見てもNさんのことを対象にしているとわかる投稿ばかりであると判断されました。
投稿に記載されていた内容も、Nさんに対する誹謗中傷と言って差支えのないハッシュタグが散りばめられており、具体的にはNさんの過去の男性遍歴であるとしか理解できないものとなっていました。

不幸中の幸いか、相談時点ではまだそのアカウントの拡散力もそこまで大きなものとなってはおらず、その時点でそのアカウントがフォローしていたのもNさんが弁明することが十分に可能な、事情を知っている友人たちばかりでしたので、大事には至っていません。

当事務所の弁護士は、すぐさま裁判上の「仮処分手続」を行い、該当のアカウントの削除を求めるとともに、今後の同様の投稿がなされることを未然に防ぐため、発信者情報開示請求も併せて行うこととしました。

Nさんは自らInstagramの運営に対し削除を要請するために報告を行っていましたが、十分なリアクションを得ることができず、早急に削除の必要性がある(=保全の必要性がある)ということも容易にでき、担当弁護士は相談の翌日までに必要書類をそろえ、東京地方裁判所に発信者情報開示請求と削除を求める仮処分を申し立てました。

結果・解決ポイント

東京地方裁判所は、該当のアカウントによるNさんに対する名誉感情侵害、プライバシー権侵害を認め、該当のアカウント自体の削除と、該当のアカウントにログインする際に投稿者が利用したIPアドレスの開示を命じました。
必要な担保金を納付し、削除の命令をもらった後は速やかにInstagramの運営により該当のアカウントは削除され、FAXでInstagramの代理人弁護士から当事務所の弁護士に対しIPアドレスも開示されました。

IPアドレスを割り当ていたプロバイダを介して投稿者に開示の可否について意見照会を行ったところ、投稿者は自ら当事務所に電話をして名乗り出、そこからはNさんの希望もあり当事者同士で話し合いをすることとなりました。
Nさん曰く、その投稿者はNさんと数年前に交際関係にあった男性なのだとか…。

今回のケースは、インスタグラマーだけではなくYouTuberやその他のインフルエンサーにも広く発生しうるインターネットトラブルのひとつであり、当事務所にも日々これらインフルエンサーのほか、芸能人の方々からも様々な相談が寄せられます。
いわゆる有名税として甘受しなければならないラインはそう高くはなく、インフルエンサーや芸能人もいち個人としての人間であることから、特にプライバシーについては強く守られなければならない権利です。
特に、企業案件などをベースに収益を上げているインフルエンサーとしては、自らのイメージダウンにつながる情報が公開されてしまうことにより企業からもらえる案件が減少することがあり、その後の生活やインフルエンサーとしての活動にも多大な影響が出ること必至です。

当事務所では、インフルエンサー、芸能人の方に限らず、インターネット上でのプライバシー権侵害、名誉毀損、侮辱、肖像権侵害などの案件を日々幅広く取り扱っており、お困りの方々に少しでも手を差し伸べられるよう、日々研鑽を積んでおります。
インターネット上のトラブルでお困りごとがあります場合には初回相談は無料となりますので、お気軽にお問い合わせください。

担当弁護士

弁護士 藤本 大和

SNS上のインフルエンサー、イラストレーター、YouTuberに対する誹謗中傷を中心として、特に発信者情報開示請求に注力している。
インフルエンサーや芸能の法的問題に対する様々な知見を有することから、特にSNS上で一定の知名度を得ているクライアントに対して、手広く法的サポートを提供している。

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