CASE ご相談事例

Nさん (女性・30代・関東在住・個人事業)

ご相談に至った経緯

Instagramでハンドメイド雑貨の販売等を行っていた相談者のところに、ある日突然、匿名のアカウントからダイレクトメッセージが届いたそうです。内容を確認してみると、「あなた晒されていますよ」というコメントともに1件のアカウントURLが。リンク先に飛んでみると、相談者が数年前にしてしまった不倫に関する情報が実名や顔写真とともに晒されており、中には相談者が運用している雑貨販売のアカウントのIDが伏字で記載されている投稿もありました。

このままでは夫や知人に知られてしまうと危機感を覚えた相談者は、当該アカウントの削除および再発防止のための発信者情報開示を請求することに。しかし、Instagramは任意での削除請求には積極的に応じていなかったため、当事務所へご依頼に来られました。

解決までの流れ

依頼を受けた時点で、当該アカウントには既に20個以上の投稿がなされており、そのすべてに相談者のフルネーム、不倫相手のフルネーム、居住地の市区町村名、職場のある市区町村名が記載されていました。また、その後も、2~3日に1回と比較的早いペースで新規投稿がなされていたため、緊急を要する事案と判断し、すぐに東京地方裁判所と削除請求の管轄権を有する地方裁判所の2か所に仮処分の申立てを行いました。

その結果、申立てから約1か月後に当該アカウントに関するIPアドレス等の開示および削除請求を認める仮処分命令が発令。開示されたIPアドレスから経由プロバイダを特定し、発信者情報開示請求に係る意見照会書を送付したところ、約2週間後に当該アカウントの所持者から当事務所の弁護士に謝罪および示談の申し入れがありました。

最終的に、相談者とも打ち合わせを行ったうえで、今後同様の行為を行わないこと、そして、手続きにかかった弁護士費用と慰謝料を支払うことを条件に、無事示談が成立しました。

結果・解決ポイント

今回は、相談者および不倫相手の詳細な個人情報が既にインターネット上へ晒されていたため、さらなるトラブルへの発展を防ぐためにも早急に対応する必要がありました。さらに、当該アカウントは、リアルタイムで次々に新規投稿を続けているという大変危険な状況。手続きに時間をかけてしまうと被害が拡大する恐れがあるため、相談者には「裁判所へ納付する担保金の額が増えてでも、速やかに手続きを進めるべき」という当事務所の所感をお伝えし、スピード重視で対応にあたることとしました。

特に、今回のようなInstagramに関する案件は我々の得意分野でもあります。これまでに扱ってきたSNS関連の豊富な対応事例も参考にしながら、ご依頼後、迅速に仮処分申立てに取り掛かることができたため、約1か月という短期間で仮処分命令の発令を得ることができました。

また、その間も相手を刺激して被害が拡大しないよう、相談者には普段通りに生活していただくようお伝えしました。Instagramもこれまでと同じ頻度で更新していただき、リスクを回避しながら手続きを進めることができたため、被害を最小限に抑えることに成功。相談者のご協力があってこそ得られた成果ですが、被害が拡大しなかったことに、ひとまずご安心いただくことができました。

最後に、不倫は法的に許されるものではありません。ただ、これはあくまでも当事者間で解決するべき問題であり、決して第三者がみだりにインターネット上に公開してものでもありません。今回取り扱った不倫トラブルなど、他人には知られたくないような事柄については、原則としてプライバシー権侵害が成立し、内容によっては名誉毀損にあたる場合もあります。なかなか他人には話しづらいかもしれませんが、弁護士には「守秘義務」がありますので、何か気がかりなことがあれば、安心して相談ください。

担当弁護士

弁護士 藤本 大和

SNS上のインフルエンサー、イラストレーター、YouTuberに対する誹謗中傷を中心として、特に発信者情報開示請求に注力している。
インフルエンサーや芸能の法的問題に対する様々な知見を有することから、特にSNS上で一定の知名度を得ているクライアントに対して、手広く法的サポートを提供している。

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